ワールドシリーズ制覇⚾大谷選手が負傷した亜脱臼とは!
連日ニュースを賑わせているメジャーリーグ ロサンゼルスドジャースの大谷翔平選手!
昨日、ワールドシリーズ制覇も決めました⚾
10月27日の試合でスライディングした際に肩を亜脱臼したとの報道がありました。
『亜脱臼』ってみなさんご存知でしたか?
なかなか聞き慣れないケガの名前だと思うので、今回はその亜脱臼についてお話しします。
まずはじめに、そもそも脱臼とは?
簡単にいうと、脱臼とは関節から骨が外れてしまうことをいいます。
このときに関節を包んでいる関節包という組織も一緒に損傷してしまいます。
ひどいときには肩関節周辺の骨や靭帯、筋肉を同時に損傷することもあります。
日常生活を送るだけでも1ヶ月以上、スポーツに復帰するには2~3か月ほどかかります。
それに対して亜脱臼とは関節から骨が”半分”外れることをいいます。不全脱臼とも呼びます。
今回の大谷選手は2塁へ盗塁した際に手がベースについたままスライディングの勢いがつき過ぎて亜脱臼したと思われます。
大谷選手の場合、次の試合に出場していたので関節包や周囲の骨・靭帯の損傷はなかった、あるいは軽傷だったと推測できます。
ただ、予想ではありますが、ワールドシリーズという大谷選手にとっても初めての大舞台であること、
ワールドシリーズが終わればオフに入ることを考慮しての判断であり、通常のレギュラーシーズン中であれば大事を取って数試合は欠場したのではないかと思います。
ここまで説明してきた『脱臼』ですが、柔道整復師が対応できるケガのひとつです!
柔道整復師は脱臼や骨折した骨を元の位置に戻す『整復』という施術ができます。(※柔道整復師という名前の”整復”はこれです!!)
整復じたいは、正しい知識と技術があればその場でできるので、実は脱臼した骨じたいはすぐ元の位置に戻すことができます。
大谷選手の亜脱臼が報じられた際に、過去に高校野球の監督が選手の肩をはめて(整復して)すぐに復活する動画がSNSで出回りましたが、あれです!
(※もちろん、知識や技術のない状態でむやみやたらに骨をはめようとしてはいけません。悪化する原因となります。)
ただし、あれだけ早い復活ができるのは、脱臼のみで関節包や靭帯に損傷がない場合に限ります。
脱臼が完治するのに1か月以上かかるのは、骨が元の位置に戻るのにかかる期間ではなくおもに関節周辺の組織が治るのにかかる期間です。
関節は関節包や周囲の靭帯などの軟部組織によって支えられ、周囲の筋肉によって動かされます。
よって、骨が元の位置に戻っただけでは痛みはなくならず、元通りの動きはできません。
周りで支えている組織が治りきる前の関節が不安定な状態で無理に動かすと、またケガをしやすくなります。
一般的に接骨院や病院では、整復と固定をし、1か月ぐらいは安静にしてもらいますが、患者さんの仕事や部活などによって治療プランは多少異なります。
スポーツをしている人はなるべく早く復帰させられるように、痛みや関節の可動域に注意しながら少しずつ関節を動かしたり、
痛みが治まってきたら治癒を促進するために温めて代謝を高めたりしていきます。※ケガしてから3日ほどは絶対に温めずに冷やしてください!
治りきる前に無理をするとまた脱臼してしまうので注意深く指導していくことが必要です。
脱臼は、ラグビーやアメフトのようなコンタクトスポーツで多いケガですが、野球やバレーボールなどでも見られることがあります。
スポーツトレーナーとして活動する以上、選手のケガは付きものです。
様々なケガに対応できる柔道整復師の知識と技術はスポーツ界で活躍する大きな力になります。
何はともあれ、大谷選手!ワールドシリーズ制覇おめでとうございます!!
オフシーズンでしっかりケアをしていただいて、また来シーズンの活躍を楽しみにしております!!
<関連記事>