TOKYO 2025 デフリンピック 柔道トレーナーの現場から
柔道整復学科の麓です。昨年の今頃、本ブログの中で「知ってますか?デフリンピック」を投稿した。そのデフリンピックが11月15日~25日に東京を中心に開催され、世界中からDEAFアスリートが各競技で競い合った。
この大会に日本柔道チームのトレーナーとして帯同させていただいた。試合内容や選手の様子は、各メディアから発信されているのでご存じの方も多いと思われるが、今回はトレーナーの目線から様子を紹介したいと思う。
柔道チームは11月13日に集合し、最終調整をして試合に臨み、19日に解散となった。
今大会におけるトレーナーの役割は以下の通りであった。
① 最終調整での役割
・テーピングや施術、出血などの処置

② オリセン(選手村)内での役割
・コンディショニング・施術
・宿泊施設でのトラブル対応(鍵の閉じ込め・食事など)
・監督・コーチと選手の体調に関するMTG
・デフリンピック日本本部との連絡
(主に医師やトレーナーとの情報交換・報告)

③ 試合会場での役割
・試合に向けてのケア(メンタル・コンディショニング)
・試合中のトラブルに対するケア
(外傷・コンディショニング)
・柔道衣に付着した血液の除去
・大会救護との交渉・相談

柔道着に付着した血液は次の試合までにきれいに落とさなければならない。これもトレーナーの仕事です。
ある1日をご紹介
05:00 起 床
前日の試合で負傷した選手の様子を確認。腫れと熱感が増していたため近隣のコンビニエンスストア(徒歩10分ほど)で氷を購入。

夜通し選手村を守ってくださるスタッフの方々が大勢います。こうした方々のお陰で大会が滞りなく進みます。
06:45 選手のケアを行い、大会会場へのバスに乗り込む。

試合会場へのバスは、他国の選手スタッフも同乗。
負傷した選手は重症であったため、杖による歩行が必要な状態であった
が、杖を持ち合わせていなかったため日本総合医療専門学校の先生方に
連絡をして、会場まで運んでいただいた。(感謝)

08:00 試合会場到着
大会の救護施設で選手に対する応急処置を依頼。
前日に負傷した他の選手についても報告とお礼を伝える。
(大会救護施設にはDr. 看護師 柔道整復師の先生方がつめている)
08:15 選手のアップ会場にてテーピングなどのケア
(この日は団体戦のためほとんどの選手が出場となる。その場合、選手の状態・出場順はもちろん選手のメンタルを考慮し、ケアの順番を考えながら行う。)
アップまでの時間にすべての選手のケアを終わらせるため一番忙しい時間帯となる。


アップ会場は各国のトレーナーもいる。ケア中にコミュニケーションをとられることもしばしば。(楽しい)
09:00 アップ開始。
柔道では、アップ時に1試合終えた後の状態となるように息を上げる。
また、その中でテンション・チームワークも仕上げるので共に盛り上げる。
09:30 試合開始
試合中は会場で観戦

試合が終わると選手のケアのためアップ会場へダッシュ

以前ご紹介の「コンプレフロス」を行っていたところまたしても他国のトレーナー登場。
試合間にこれを繰り返すこととなる。
13:30 メダルセッション
日本チームは男子が3位決定戦に進出。
宿敵ウクライナを下し、見事「銅メダル獲得」

その後、表彰式を行いマスコミ対応の時間となる。

21:00 選手村に戻り、夕食後選手のケア。

23:30 監督・コーチとMTG
(選手の状態などを報告)
25:00 就 寝
デフリンピック柔道競技を終えて
4年前ブラジルで行われた前回大会は、柔道は、2名が5位入賞で終了した。
今回は男子6名・女子3名の9選手が出場し、「7個の銅メダル獲得」という結果に終わった。
その場に立ち会えたことの喜びはもちろんであるが、この4年間の選手はもちろん監督、コーチ、支えてくださるスタッフの苦労と苦悩を共有した上でのメダル獲得は何にも代えがたい経験となった。
また、東京開催のデフリンピックということもあり報道など各メディアの取り上げも想像を超えていた。
そんな中、キャプテンである蒲生選手がインタビューの中で「トレーナーにしっかりとケアしていただいた。」と語ってくれたこと、また打ち上げの中で監督・コーチが「今回の結果で一番の影の功労者はトレーナーだ」と言ってくれたことは、今後この経験を学生たちに伝えていくうえで何よりの宝物となった。

本校学生は、将来トレーナーになりたい。と希望する者が多い。その苦労と喜びを大いに伝えていきたいと改めて感じた。

ブログを読んでいただいた皆様の中にも、将来トレーナーとして活躍したいと考えている方、
ぜひ、日本総合医療専門学校で将来の夢に向け共に学びましょう!