【柔整コラム】国家試験前に行う認定実技審査とは?
柔道整復学科の羽田です。
11月4日(日)に本校柔道整復学科の認定実技審査が行われ、無事全員合格となりました。
認定実技審査とは簡単に言いますと、柔道整復師養成の専門学校で実施されている卒業判定に関わる重要な審査です。
現在、柔道整復師の資格は国家資格になっていますが、かつては都道府県知事による免許試験でした。
その頃は、筆記試験及び実技試験が行われていましたが、柔道整復師法の改正(昭和63年5月法律第72号)により、国家試験は筆記試験のみとなり、実技試験がなくなりました。
このことにより、養成施設の教育水準の維持向上とその充実を図る目的のために
「各養成施設長は、柔道整復実技及び柔道実技について財団が派遣する認定実技審査員の審査を受け、卒業の判定の資料とする。」こととなり、認定実技審査制度が発足しました。
(参照 https://www.zaijusei.com/introduction_4_nintei.html#shinsa)
時期としては、毎年10月末~12月の土日祝の1日を使い、各校に審査員が来校して実施されます。
内容は大きく分けて、「柔道」と「固定・整復」の実技の2つです。
柔道では、人としての振舞いの基本(接し方や対話の仕方、相手への尊重)、礼儀作法の習得がされているかが評価されます。
そもそも柔道整復師の学校で行われる柔道は、競技目的ではなく上記のように相手をリスペクトする姿勢の鍛錬が目的なので、柔道が上手か下手かという観点の評価ではありません。
固定・整復の実技では、
柔道整復師としての知識、技術や整復操作の実施方法、適切な姿勢や動作、患者の安全性への配慮などが評価されます。
具体的には時間内に、けがの説明と整復・固定動作、助手への指示が正しくできるかの審査になります。
このように認定実技審査は柔道整復師制度の発展とともに進化してきたものであり、
筆記試験で問われる知識だけでなく、正しい技術の取得と患者さんに寄り添うことができる質の高い柔道整復師の養成に貢献しています。